Corredor

ウェブ、プログラミングの勉強メモ。

iOS のホーム画面にメモ付きのアイコンを置ける「iOS Memo Icon Generator」を作った

「ショートカットメモ帳」というアプリがあり、このアプリの仕組みを見て似たようなモノを作った。

このアプリは、iOS の「ホーム画面に追加」機能と、DataURL の仕組みを利用して、「オリジナルのメモが書かれたアイコン」を生成し、ホーム画面に配置できるようになっている。アイコンをタップするとアプリが起動し、アイコン作成時に入力したメモの詳細画面に飛べるというモノ。

実装も調べられたので、コレならアプリの体裁を取らずに、HTML ファイル1つでジェネレーターを作れそうだなと思い、作ってみたのが、以下の「iOS Memo Icon Generator」

neos21.github.io

上のページに iOS Safari でアクセスする。

テキストエリアに任意のテキストを入力して「生成する」ボタンを押すと、下にアイコンのプレビューが表示されるので、見栄えを確認し、「ブックマークリンク」を押下する。

f:id:neos21:20200204221014p:plain

すると、入力したメモが記されたページが開くので、この画面で「ホーム画面に追加」メニューを選択する。

f:id:neos21:20200204220954p:plain

f:id:neos21:20200204221001p:plain

すると、自分で作成したアイコンがホーム画面に表示される。

f:id:neos21:20200204221133p:plain

ホーム画面のアイコンをタップすると、入力したメモのテキストが表示される、というモノ。

実装解説

実装を概説すると次のとおり。

  1. Canvas の toDataURL() メソッドを使って PNG 画像の DataURL を生成する
  2. この DataURL 文字列を link 要素に仕込み、iOS 用の Favicon として表示できるような HTML 文字列を作る
  3. その HTML 文字列を DataURL 形式に変換し、ブラウザの URL 欄に入力することで、「HTML ファイルが存在しない HTML ページ」をブラウザに表示したり、「ホーム画面に追加」したりできるようにした

一つずつ、もう少し詳しく解説していこう。

canvas 要素の利用

まず、ホーム画面に表示するアイコン自体をどう作るかというと、canvas 要素を利用する。大体 114×114px とか、152×152px とかのアイコンを作っておけば、iOS のホーム画面向けのアイコンとなる。

canvas 要素に上手いことテキストを入れていくところを、結構こだわった。通常、canvas.getContext('2d').fillText() メソッドで Canvas に文字を入れていくと、Canvas の幅に合わせた「折り返し」などが行われない。そこで、折り返しや省略表示を行うよう独自のメソッドを作成した。以下の記事を参考に改変したモノ。

/**
 * canvas 要素に文字列を折り返しながら描画する
 * 
 * - 参考 : https://www.html5canvastutorials.com/tutorials/html5-canvas-wrap-text-tutorial/
 * 
 * @param {CanvasRenderingContext2D} context canvas 要素の Context
 * @param {string} inputText 入力値
 * @param {number} x 文字列を描画し始める X 座標値
 * @param {number} y 文字列を描画し始める Y 座標値。改行の度に本引数の値を更新する
 * @param {number} maxWidth 文字列の描画範囲となる最大幅
 * @param {number} maxHeight 文字列の描画範囲となる最大の高さ
 * @param {number} lineHeight 行の高さ
 */
function fillWrappedText(context, inputText, x, y, maxWidth, maxHeight, lineHeight) {
  const characters = inputText.split('');
  let lineText = '';
  
  for(let i = 0; i < characters.length; i++) {
    // 折り返した後の座標が描画可能範囲を超える場合は中止する
    if(y > maxHeight) {
      break;
    }
    
    // 改行コードの場合
    if(characters[i] === '\n') {
      // 現在行を出力する
      context.fillText(lineText, x, y, maxWidth);
      // 次の行の準備をし次のループに繋ぐ
      y += lineHeight;
      lineText = '';
      continue;
    }
    
    const testLineText = lineText + characters[i];
    const testWidth = context.measureText(testLineText).width;
    
    if(testWidth > maxWidth && i > 0) {
      // 現在行を出力する
      context.fillText(lineText, x, y, maxWidth);
      // 次の行の準備をする
      y += lineHeight;
      lineText = characters[i];
    }
    else {
      // 現在行に1文字追加する
      lineText = testLineText;
    }
  }
  
  // Y 座標が描画可能範囲を超えない場合のみ最終行を書き込む
  if(y <= maxHeight) {
    context.fillText(lineText, x, y, maxWidth);
  }
}

Canvas を PNG 形式に変換するため、canvas.toDataURL('image/png') メソッドを使用し、PNG 画像の DataURL 文字列を取得している (data:image/png;base64, から始まる文字列)。

HTML の DataURL 文字列を作成する

次に、「HTML ページを DataURL 形式で表現した文字列」を作る。HTML 中に

<link rel="apple-touch-icon-precomposed" href="【PNG 画像】">

という link 要素を仕込んでおくことで、「ホーム画面に追加」で Web ページをホーム画面に配置した時専用のアイコンを用意できる。

通常は href 属性値にファイルパスを渡すワケだが、今回は先程生成した PNG 画像の DataURL 文字列をココに埋め込んでしまう。

<link rel="apple-touch-icon-precomposed" href="data:image/png;base64,【… Base64 文字列】">

当然、Base64 文字列は結構長くなるので、HTML 全体はなるべく短くしたい。省略できる要素は省略していく。

ホーム画面でアイコンをタップして、何も表示されないのも味気ないので、入力したメモを全文表示できるようにしてみた。最終的に次のような DataURL 文字列が作れれば OK。

data:text/html;charset=utf-8,
<meta name="apple-mobile-web-app-capable" content="yes">
<link rel="apple-touch-icon-precomposed" href="【PNG 画像の DataURL 文字列】">
<title>【任意テキスト (ホーム画面にアプリ名として表示される)】</title>
<h1 style="font-family:sans-serif;word-break:break-all">【任意テキスト】</h1>

適宜 encodeURIComponent() を利用してパーセント・エンコーディングしておく。その値を「ブックマークリンク」の a 要素の href 属性値にそのままブチ込めば、DataURL 文字列をそのまま Safari ブラウザで表示してくれる。

後は「ホーム画面に追加」を選んでもらうことで、アイコンをホーム画面に追加できるようになる。

サーバレス

アイコンを生成するための、単一の HTML ファイル内に、全ての必要な JavaScript コードを埋め込んだので、

この index.html さえ適当な所に配置して iOS からアクセスできるようにしておけば、サーバの用意やアプリの実装などをせずとも、独自のアイコンを作れる環境が整う。

アイコンをタップして表示される「ページ」も、DataURL 文字列で実現しているので、どこにも HTML ファイルを置く必要はないし、ジェネレーターサイトが無くなったりしても、作成済のアイコンの動作には影響がない。

iOS ネイティブっぽい領域にかなり踏み込んでいるのに、真のサーバレスな Web アプリ (単一の HTML ファイル) で実現できているところが面白いところだ。

今後改良したいこと

現状、114×114px の Canvas に、14px の sans-serif 書体オンリーのメモが書ける状態。背景色もグレー一色。今後は、ユーザがフォントのサイズや書体、背景色などを選んで、自由にレイアウトできるような機能を盛り込みたい。

…ただ、作っておいてなんだが、自分は「ショートカットメモ帳」アプリの仕組みを真似してみたかっただけで、別にこの自作アプリを使っていくつもりはないので、多分もう更新しないかも…w。気が向いたら作ることにする。